最近よく耳にするUA値やC値。住宅性能を数値で見える化するもののはずですが正直全然ピンときませんよね。でも「この数値なら体感この感じなんだ!」がわかりやすいのが冬なんです。
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どちらがより高性能住宅かわかりますか?
(A)UA=0.87W/㎡K、C=1.0c㎡/㎡、BEI=0.9
(B)UA=0.44W/㎡K、C=0.1c㎡/㎡、BEI=0.64
A・Bはともに住宅性能を数値で表していますが、どちらが優れた住宅かわかりますか?
既に家づくりを進めている方の中には「当然知ってるよ」という方もいらっしゃるでしょう。でも、これから始めようという方にはきっとチンプンカンプンなことでしょう。
また「数値の意味は知ってるよ」という方でも、その数値だとどのくらい暖かいのか?寒いのか?までわかってらっしゃる方は多くないのではないでしょうか。
答え合わせ
正解は、性能が優れているのは「B」のお宅です。
UA値、C値、BEI値は数字が小さい方がより優れていると覚えてください。
ちなみに、A・Bともに最高等級です...
実はA・Bともに国の現行基準(いわゆる省エネ基準=住宅性能表示制度における省エネルギー対策等級・5地域の場合)では最高等級の、断熱等性能[等級4]、一次エネルギー消費量[等級5]となり(この等級は数字が大きい方が優れています)、住宅金融支援機構の長期固定金利住宅ローン・フラット35を利用する場合、「フラット35S金利Aプラン(当初10年間金利引下げ)」というより有利な条件を適用できます。
では、どのくらい良いのか悪いのかわかりますか?
UA値だとAは0.87W/㎡K、Bは0.44W/㎡KなのでBはAの約半分
C値だとAは1.0c㎡/㎡、Bは0.1c㎡/㎡なのでBはAの10分の1
BEI値だとAは0.9(10%削減)、Bは0.64(36%削減)なのでBはAより26%削減率が大きい
確かにどの数値もBの方が随分と優れていますね。なかでもBEI値はエネルギーの削減率ですからある程度イメージしやすいかもしれません。ではUA値やC値はどうでしょうか?
ピンときませんよね。
そこで次は各指標と数値の意味を簡単に説明します。
暖かさはUA値
UA値は断熱性・保温性のことで、家からどのくらいの熱が逃げるかを表します。単位はW(ワット)、ドライヤーや電気ストーブなどの熱量を表すW(ワット)です。
数字が小さい方が逃げる熱が少ない、つまり断熱性・保温性が優れているということです。0.44Wでも0.87Wでも一見ほんのわずかですが、これに家全体の表面積と内外の温度差を掛けた値が家から逃げる熱の総量になるので相当なものになります。
例えばBのお宅の場合でも、中が20℃で外が0℃の時は約3000Wもの熱が逃げていくことになります。電気ストーブなら3台分は捨てている計算です。つまりAのお宅が同じ大きさならこの倍くらい熱を捨てているということです。
温度差、空気感、静かさはC値
C値は相当隙間面積、家じゅうの隙間の量を表します。単位はc㎡(平方センチメートル)で対象となる床面積当たりに換算した値を用います。
こちらも数字が小さい方が隙間が少ないということで、Bのお宅の場合、家じゅうの隙間をかき集めてもわずか12c㎡(約3.5センチ四方)、名刺の半分以下の隙間しかありません。
温度差、空気感(換気)、静かさには実は「気密」が大きく関わっています。これについては長くなるので見学会や相談会でお話ししますね。
C値で確認できる見逃せないもう一つの大切なこと
見逃せないポイントが一つあります。
実は、UA値は計算値であるのに対してC値は実測値なのです。
断熱材の種類や厚みからUA値を計算できても、きちんと施工されている証拠にはなりません。仮に断熱材がつぶれていたり、偏っていたり、入れ忘れていたとしても数値からは判別できないのです。
一方、C値は気密測定士が現場で実測します。気密性を上げるには理屈をわかった人が現場でコツコツ細かい作業を積み重ねるしかありません。ある意味で気密測定とは隙間の量だけでなく施工の丁寧さ、確実性を確認しているのです。
省エネ性はBEI
BEIとは一次エネルギー消費量の削減率を表します。
Bのお宅の場合BEI=0.64ですので、暖房・冷房・換気・給湯・照明で消費されるエネルギーを基準となる住宅よりも36%節約できることになり、省エネ性を星の数で表すBELS(ベルス)だと☆☆☆☆☆(星5つ、最高等級)になります。
また太陽光発電は未設置ですが、載せさえすれば比較的容易にゼロエネ住宅にできるZEH Oriented(ゼッチオリエンテッド)に位置づけられ、グリーン住宅ポイントも割増で受けられます。
数値を体感できるの?
UA値、C値は体感できます。
先に書いたように、断熱性・保温性に関わるUA値は主に家の内外温度差で感じられます。C値は室内の上下間温度差、つまり足元と頭上の温度の違いで感じられます。これらは家の中と外の温度差が大きくなる冬こそ体感しやすいのです。さらにサーモカメラがあれば視覚的にもバッチリ確認できます。
C値が関わるといった静かさについては冬でなくても体感できますし、空気感(換気)は臭いや肌感覚以外にも少し工夫すれば視覚的にも確認できます。
どこで体感できるの?
Bのお宅は12/11(土)・12(日)に開催する「冬だからこそ実感!あたたかい家 完成見学会」のお宅です。番宣になってしまいましたが、寒さ本番を迎えたこの時期こそ住宅性能を直に体感できるうってつけのタイミングなので、ぜひこの機会をご活用ください。