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ベストホーム桑名のおうちの話 【 家づくりの素朴な疑問を家づくりのプロに聞いてみよう⑤】

ベストホームは「暮らしを変える 住まいをつくる」をコンセプトに 富山の風土に合った家づくりを実践しています。ここでは施工事例や家づくりの豆知識などなどお伝えしていきます。

Q.耐震と制震はどっちがいいの?

A. まずは耐震を基本として制震を加えるのが理想です。

 

耐震とは建物をガチガチに固めて地震の揺れに耐えることを指します。強固で変形に強い一方、住宅に対して衝撃感が大きく伝わります。

対して制震とは地震のエネルギーを吸収して減衰させることです。揺れをいなして衝撃を減らすので、くり返しの余震にも有効とされます。

補助金や地震保険の割引の要件になるのは耐震です。まずは耐震、そして制震を加えることを検討してください。

 

耐震等級の段階

揺れを軽減するのが制震

制震・プレウォールTXの例

Q.断熱等級は何等級ならいいの?

A. 等級6が現実的、できれば等級7、等級5は最低限です。

正式には断熱等性能等級といいます。国は2022年4月から等級5、10月から等級6・等級7を創設、住宅の高性能化を加速させようとしています。国として地球温暖化対策の新しい枠組みであるパリ協定に批准したこともありますが、私たち生活者にとっても省エネ性と健康・快適な暮らしを求めるうえで実用的な指標になってきました。

 

等級6は現実的かつ実利的

等級6はHEAT20・G1~G2相当です。

ザックリいうと暖冷房にかかる一次エネルギー消費量を概ね30%削減、最低室温を概ね10~13℃以上に保てるレベルです。

つまり大幅に省エネだからお好みで全館連続暖房してもいいよね、結露するような寒い場所を作らないからカビ・ダニの心配がなく空気質も良好に保てるね、という「エネルギーと環境の質が両立」するグッドバランスな性能といえます。

5地域以南のUA=0.46程度ならダブル断熱でもなくても実現できるので建築コストも現実的なラインに抑えられます。

 

コストが許せば等級7が望ましい

等級7はHEAT20・G3相当です。

暖冷房にかかる一次エネルギー消費量を概ね40%削減、最低室温を概ね15℃以上に保てるレベルです。

いわゆるパッシブハウスの域ですのでダブル断熱・トリプルガラスサッシは必須となり建築コストは嵩みます。しかしながら人生の大半を過ごす家です。健康に投資するつもりでこのレベルも検討してみてはいかがでしょうか。

国内の研究では断熱レベルの向上は健康改善効果があることが実証されています。海外には吸器疾患や心疾患等の健康リスクを下げる観点等により最低室温が推奨・規定している国もあります。

 

諸外国の最低室温基準の例

等級5は最低限

これまで国が品確法で定める断熱等性能等級の最高等級は等級4でしたが、はっきり言って生ぬるいものでした。そこでようやく2022年4月に等級5創設、これはZEH住宅で定めていた強化外皮基準です。

先ごろ終了した「こどもみらい住宅支援事業」では新築住宅では等級4も補助対象となっていましたが後継の「こどもエコすまい支援事業」では対象基準が引き上げられ ZEH水準(強化外皮基準=等級5)以上となりました。

このレベルに仕上げる断熱材やサッシは今や一般化しています。4地域以南(UA=0.6)であればここを出し惜しんで等級4にする意味はほとんどないでしょう。

 

Q.間取りを考えるときに何に気を付ければいいの?

A. 畳数よりも家具のサイズと動作や動線をイメージしてください。

 

「リビングは20畳」などと漠然と言いがちですが、大切なのはそこに何(家具や家電など)が置かれて、人がどう動くか(どんな作業、どんな姿勢、どのくらいの時間)をイメージすることです。

ソファーやテーブルなどはそこが居場所に、収納棚や家電製品は用があるときの目的地に、それらの余白で動線を描くことになるわけです。人は静止している場合と、動作する場合では必要空間が違います。かがんだ時にお尻がぶつからないか、扉を開けた時に頭にぶつからないか、ぜひ場面を思い浮かべながらエア動作してみてください。

 

引用元:建築学科のための環境工学 https://environmental-engineering.work/archives/293

また人は、年もとれば動きも変わるし家族構成や事情も変わります。新築するそのときの事情にだけキチキチに合わせたスペシャル仕様では将来つぶしが利かないことも。レースが目的のレーシングカーのコックピットと日常使いする乗用車の座席ではまるで違いますよね。ある程度のゆとり・余白・おおらかさを残す設計の方が応用が利いて合理的なことも多いです。