ベストホームは「暮らしを変える 住まいをつくる」をコンセプトに 富山の風土に合った家づくりを実践しています。ここでは施工事例や家づくりの豆知識などなどお伝えしていきます。
冷暖房効率の秘密
効率のよい暖房とは
暖房とは、体感温度を高めるため部屋を暖めることです。
一般に「暖房」というと温風を吹き出して空気を暖めるイメージですが、「房=部屋」を暖めることを意味します。というのも、実は人の体感温度とは室温(空気の温度)と部屋の表面温度の平均の値であり、温風で室温が上がっても床や壁や天井が冷たければ寒いままと感じ、逆に部屋の表面温度が高ければ室温以上に暖かく感じるものなのです。
効率のよい暖房とは、新しい高価な暖房器具に買い替えるだけでは上手くいきません。家の断熱・気密性により保温力を高めれば、暖房器具の購入や運転に過剰なコストを掛けなくても快適に暖まり省エネです。
効率のよい冷房とは
冷房とは、「体感温度を下げるため部屋を冷やすこと」としたいところですが、室温が低いだけでは血行不良を招きかえって不快で不健康です。
人は暑いときには汗をかき、その気化熱で体温を下げようとします。これが「涼しさ」の感じ方です。ところが周りの湿度が高いと汗が蒸発しにくいので体温がうまく下がらず暑く感じます。
つまりスムースに発汗できるよう周りの湿度を下げればよいのですが、そのためにエアコンで空気を冷やしながら空気中の水蒸気を漉し取るのです。これが冷房のしくみです。
効率のよい冷房も、エアコンだけでは上手くいきません。隙間が多い家では、エアコンが頑張って除湿しても外から水蒸気が侵入するイタチごっこ状態。また換気不良では生活で出る水蒸気も籠ったままです。つまり気密性を高めて余分な水蒸気を入れず溜め込まない家にする必要があるのです。
ヒートポンプを活用
ヒートポンプとは少ないエネルギーで大きな熱エネルギーを利用できるようにする技術のことです。
ヒーターは1の投入エネルギーで1の熱エネルギーにしかならないのに対し、ヒートポンプは1のエネルギーで概ね3以上の熱エネルギーを得られるので大変省エネ効果が高く、エアコンやエコキュートの他に近年では冷蔵庫や洗濯機など広く使われるようになってきた技術です。
先程は機器を変えるだけではダメと書きましたが、機器自体の効率はやはり新しいものが優れており、最新の壁掛エアコンでは1の投入エネルギーで7を超える熱エネルギーを得られるものも登場しています。従来型のヒーターをヒートポンプ式のエアコンや床暖房に替えたり、古いエアコンを新しいエアコンに替えることは消費エネルギーを減らすうえで有効です。
まとめ_建物ファーストがおススメ
家の冷暖房は、健康で快適に暮らすうえでとても大切な要素です。
穴のあいた器に水を注いでもキリがないように、断熱・気密の面で穴のあいた家ではいくら高性能な冷暖房機器を使ってもエネルギーを浪費するだけです。おススメはあくまで家の断熱・気密性能優先、建物ファーストです。
例えば、外気温0℃のときUA=0.46・外皮面積350㎡の家を室温20℃に保ちたいとします。家から逃げる熱量は、UA値0.46W×外皮面積350㎡×温度差20℃=3.22kWとなりますが、これならば普通の10畳用のエアコン1台で事足りてしまいます。実際は換気による熱損失や太陽からの日射取得・人や電化製品からの内部発熱があったり、部屋ごとに間仕切られていたりと単純ではないのですが、建物がしっかりしていれば小さなエネルギーで十分に冷暖房できる時代なのです。
健康・快適・省エネの暮らしにはまず建物ファースト、次にその性能に対して必要最小限の冷暖房機器を考えましょう!
※冷暖房には日射取得と日射遮蔽も大きく関わります。これはまた別の機会にご紹介します。
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